あなたとのことを考えるため 都会の喧騒を離れて一人で旅立ちました
湖畔に佇むと 湖を渡る風には渡り鳥の鳴き声が、また
木立を縫う風には 小鳥のさえずりが聞こえます
湖畔に影を落とす 雪に覆われた山並みの向こうにあなたはいます
風の音や小鳥の声は聞こえるのに 聞こえそうで聞こえないあなたの囁き…
私があなたの声を聞き取れないように あなたに届きそうで届かない私の声に
もどかしさを感じます
でも、春がすぐそこまで来ています
柔らかな春の日差しが 山並みの雪を溶かすように
凍てついた私の心には あなたの天使の微笑が必要だと言うことを
思い知らされました
今夜の夜汽車で あなたの居る都会に戻ります
たまらなく
逢いたくなりました
牧田 英冶