ひとり言

風そよぐ

さわやかな風そよぐ

コバルトの空にひばりさえずり

 

水をたたえて田んぼが光る

早苗に風がわたる

 

 

時の移ろいのなんと早いことか

春のうたを詠ったのは

  昨日のことのよう思えるのに

季節はすでに初夏のもの

 

足踏みしているのはわたし

時がどんどん追い越していく

 

この辺で重い腰をあげ

また一歩を踏み出そう

 

早苗が成長して黄金の穂を実らせる頃

私にも

少しばかりの変化が見らるように

佐藤 美代子

春の匂い

家のドアを開け、ふと感じる春の匂い・・・。

 

それは、

まだ小さかった頃、母と父に連れられて、

公園に遊びに行ったときに感じた匂いと同じもの。

 

いつの間にか寒い冬は過ぎ、

今年もまた暖かな春の空気が私を包み込む。

 

まるで、              

父と母に守られているかのように・・・。

 

毎日の生活に追われる私たちは、

このような幸せに気づかなくなってしまうことがあります。

 

本当の幸せが身近にあるということを。

身近に感じられるものであるということを。

 

菊地 由里

風光る頃

冬ざれの野に
春の訪れを告げる風が渡る

気の早い若芽は大きくふくらみ
いまにもほころびそう

三寒四温
肌を刺す寒気の襲来に
ひらきかけの紅梅が
思わず身をすくめる

春はまだか
春はまだか
そんなささやきが聞こえてきそうだ

急がなくてもいいんだよ

マイペースで行こうよ
やがて
木々が目覚める
花も咲く
そして風が光る春が来る

佐藤 美代子

甥っ子と金魚と時々スマホ

もうじき2歳になる甥っ子が実家で飼っている金魚の水槽を

指でつついて遊んでいる。
そうそう子供の頃は誰でもよくやるイタズラです。

でも違うのです。
よくよく観察したら水槽のガラスに対して指を

スライドさせているのです。

最近の携帯電話(スマートホン)には
アプリと呼ばれるゲームがあるそうです。
私は今でもガラケーと呼ばれる 二つ折の携帯電話ですが。

そうです。
甥っ子のお気に入りアプリは金魚飼育のゲームだったのです。
スマホの画面に向かって指をスライドさせると金魚が近寄ってきたり、
画面が切り替わって別の魚たちが現れたりする。

どうやら甥っ子は現実世界にある水槽のガラスも

指をスライドさせることで金魚が近寄ってくると思っていたようです。

最近の子供はゲームの金魚と現実の金魚の区別がつかなくなっている?
勿論そんなことはありません。 ちゃんと違いは分かっています。

ただ困ったことに甥っ子は初めて見る液晶になら何でも

指をスライドさせる癖がついています。
実家にある数台の液晶テレビやパソコンのモニターに
細長い謎の指紋がついていた理由がようやく解けました。

武藤 良彦

さぁ!今から

一枚のカレンダーをめくり 2012年が終わり 

 

2013年が始まりを告げる

 

新玉の一月

 

何もかも光に輝いているそんな気がする

 

あれもこれも 不満足なおもいの数々は

 

すべて、カレンダーと共に過去へ置いてゆこう

 

まだ分厚い日めくりの1枚1枚に

 

どんなドラマが詰まっているのか

 

ちょっとワクワクする一月

 

もしかしたら同じような日々の繰り返しかも・・・

 

それでも

 

去年とは違う今日の始まり

 

さあ!

ドラマの幕あけだ

 

スポットライトの中へ 歩を進めてゆこう

 

佐藤 美代子

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