重たく首うなだれたひまわり
つくつく法師の鳴き声
遠雷が夏の終わりを告げる
何事もなかったごとく季節は移り
自然は営みを続ける
足踏みしているのは・・人間だけか
否
思いもしない災害を身に受け
なお 其処から前へ進もうとする人々がいる
悲しさや嘆きを微笑みにそっと包んで
周りの人々に声をかける人がいる
季節の移ろいの中に
草や木が
悲しみの痕跡を埋め尽くしても
私たちは忘れまい
あの日の出来事を
佐藤 美代子
つゆの晴れ間に
家中の窓を全開して
積もり積もった湿気を追い出そう
つゆの晴れ間に
こころの窓を開け放し
緑の空気を呼び込もう
胸いっぱいにフィトンチッドを吸い込んで
エネルギーを満たしておこう
明日からまた振り続けても
多少のことに怖気ずに
歩めるように
佐藤 美代子
何もしようとしない自分
そんな己を奮いたたせたくて
苛々している私
いつからこんなになったのか
知らずしらずの内に
蓄積されたこころの澱がうず高く積もり
私を支配している
周りを見渡せば
新緑は目に痛いほど
草も木も、少し前までの衣をぬぎすて
新しい季節へと歩み始めている
その足並みにあわせ
私も、衣をぬぎすてたら前にでられるかもしれない
そんな気がして
後ろ向きになりがちな自分に
少しだけ声をかけてみる
佐藤 美代子
そばにいるだけで そよ風のように
私の胸を さわやかにし
なにも言わなくても そよ風のように
私の耳に 囁きかける
けれど
つかまえようとしても
そよ風のように そよ風のように
あなたは 通り過ぎてしまう
牧田 英治